「生活保護のない世界」にいる人たち/人権の国/私たちが勝手に可能性を閉ざしてはいけない

2022年12月12日(月)~18日(日)のTwitterの記録です。

■12月14日(水)「サンダルのまま逃げてきた」
先週に引き続き今週も「ホームレス化する難民・仮放免者」の相談が相次いでいます。
アフリカ出身男性。難民。来日まもない。着の身着のまま逃げてきて、荷物は小さいバッグのみ。サンダル。成田に着いて、誰かに新宿までの切符を買ってもらう。駅に着いても行き場所なくホームレス。偶然、アフリカ出身の方に出会い、支援団体に繋がる。でも、在留資格はまもなく切れます。対応中です。このままだとオーバーステイになり、入管に無期限収容の可能性あり。仮放免で出てきた頃には心身ともにボロボロ。多くの難民申請者が通ってきた「道」です。
この方は笑顔の素敵な純朴な方。時折、とても不安な表情をします。今日は一緒に買い物に行きました。初めてだそうです。沢山かごに食べ物を入れる私を見て「もう大丈夫です」「国では食べられなかったからスープとお米だけで十分」「本当にありがとうございます」。冬服がないので、支援者の方にダウンを頼んでもらいました。金曜日に届きます。 日本語はお話できませんが、今日は通訳の方と一緒に「ありがとうございます」という日本語を覚えました。日本語を勉強したいとお話されています。
難民として保護してほしい。在留資格を継続してほしい。収容しないでほしい。これ以上、日本を頼ってきた人に「絶望」を与えないでほしい。支援者の皆さんと一緒にできることを探して動きます。

■12月14日(水)「『排除』から『包摂』へ 生きる権利を奪われた『りんじん』と向き合う」
「首と手首を切って自殺未遂…。ドアから血が流れ出していることに隣人の方が気づいて緊急搬送されたものの、そこでかかった15万円が払えず、処置も不十分のまま“自主退院”してホームレス状態」

「排除」から「包摂」へ 生きる権利を奪われた「りんじん」と向き合う - Dialogue for People(ダイアローグフォーピープル)
今年も年の瀬が迫っている。年末年始は日雇いの仕事も乏しくなり、SOSの届け先の役所の窓口も、一部を除き閉じられ

■12月15日「イランのサッカー選手に死刑の可能性」
日本には何年も何年も難民認定されないまま仮放免状態におかれ続けているイラン人仮放免者が多くいます。 入管は早く在留資格を出すべきです。

イランのサッカー選手に死刑の可能性 W杯出場のGKも処分撤回求める “国内で女性の権利を訴えたため”と選手会が明かす|日テレNEWS NNN
FIFPRO(国際プロサッカー選手会)は現地時間の13日、「イランのアミール・ナスル・アザダニ選手(26)が、死刑の可能性に直面していて、驚くとともにぞっとしている」とSNS上で声明を発表しました。

■12月15日(木)「米国がロヒンギャ難民の受入れを表明」
詳細不明ですが、米国に続いて日本もロヒンギャ難民を難民として認めるべき。 日本にはずっと仮放免状態に留め置かれているロヒンギャの仮放免の方がいます。今すぐに在留資格を。

米国がロヒンギャ難民の受入れを表明 – ミャンマー最新ニュース・情報誌-MYANMAR JAPON
ミャンマーの日本語ニュースメディア。現地の政治・経済・社会などの最新情報を毎日配信するミャンマーニュース専門サイト。

■12月15日(木)「『生活保護のない世界』にいる人たち」
今日はある大学で仮放免者など困窮する外国人の方の状況についてお話しました。
タイトルは「『生活保護のない世界』にいる人たち」です。 昔、北九州で生活保護を受けられず餓死に追い込まれる悲惨な事件がありました。生活保護がないことは「死」を意味します。仮放免の方も同様な状況です。

出所:大澤優真作成資料
出所:大澤優真作成資料

■12月16日(金)「クリスマスプレゼント」
ボランティアの方から沢山の手作りクリスマスプレゼントをいただきました。シェルターやアパートに暮らす皆さんにお渡しします。「皆さんのことを思って作るのが嬉しい」と。ありがとうございます。心から嬉しいです。 その他にも多くのボランティアの方、ピアサポーターの方、支援者の方、活動に理解を示してくださる方に支えられて活動できています。
支援をしていると「自分が頑張っているからできている」とか「こんなことができて自分はすごい」のようなテングになっていく感じがあります。でも、その考えはトラブルの元ですし、実際に多くの方と一緒にやってるからできていることです。自分一人では絶対にできません。 お恥ずかしいですが、私は強い人間ではないので定期的に高くなった鼻を低くする作業が必要です。感謝の気持ちを伝えさせていただければ幸いです。

出所:大澤優真撮影

■12月17日(土)「人権の国」
今日は来日まもないアフリカ難民の方の難民申請書を作成しました。同国人の方と通訳の方と一緒です。終電がなくなってしまいました。
高学歴の方。理路整然と辛い状況を話してくださいました。帰ったら命が危ない。家族は拉致されている。明らかに難民です。日本には来たのは「最初にビザがとれたから」。周囲に日本に行けることを伝えたら「人権の国だ!よかったな」とみんな喜んでくれたそうです。そのあとに日本より難民認定率の高い別の国のビザも取れましたが、来日を優先しました。カタールのワールドカップで日本人サポーターがゴミ拾いをしていましたが、その光景がSNSを通じてアフリカ中に出回っているそうです。「日本人は礼儀正しい」「日本は信用できる国だ」。多くのアフリカの方がそう思っているそうです。言葉がありません。 この方に日本の悲惨な現状をお伝えする他ありませんでした。命からがら「人権の国」に逃げてきてこれで安心だと思ったら、まったくそうではなかった。希望を失った表情に変わったことが脳裏に焼き付いています。この方は、今後、入管に行き、難民申請をし、担当官から高圧的に怒鳴られる仕打ちが待っています。少しでもそれを緩和できるように同行します。通訳の方も弁護士の方も同行してくれます。この方は「人権の国」の真実を見ることになります。
もう外面だけよくするのはやめませんか。これ以上被害者を増やしたくない。日本は「人権の国」ではないです。帰れない人に「帰れ!」と脅し、仕事も認めず、生活の保障もしない。入管の中でも外でも自殺者が出る。それなのに入管は変わらない。社会の関心も高くない。 それでも諦めることはできません。多くの方が力強く動いていることもわかっています。できることを探してやるしかありませんし、変わっていくことを信じています

■12月17日(土)「日本の『平和』を活かした外交を」
難民や仮放免の方とお話していると、日本のいいところがあるとすれば、それは諸外国と比較して「平和」だということかなと。少なくとも、政府軍に拉致されたり、急に理由もなく無差別に銃撃され殺されることはほぼないのではと思います。 政府にはこの日本の「特権」を活かした外交をしてほしいです。

■12月17日(土)「W杯カタール大会でも注目されるLGBT難民 英国では申請の5%」
「英国では2015~21年の難民申請のうち、約5%が性的少数者であることを理由にしたもので、イラン出身のLGBT難民申請者は9割が保護されている」

W杯カタール大会でも注目されるLGBT難民 英国では申請の5%:朝日新聞デジタル
 LGBTら性的少数者への迫害を理由に国外へ逃れる「LGBT難民」について考えるシンポジウムが、大阪で開かれた。サッカーW杯でも開催国のカタールが、同性愛行為を違法としていることで、性的少数者への迫害…

■12月18日(日)「私たちが勝手に可能性を閉ざしてはいけない」
今日は「クルドの子どもたちによる演劇とトーク」イベントに参加しました。小学生と中学生のお子さんたち。この会に参加できて本当によかったです。 
日本生まれ日本育ち。日本語しか話せない。9年間在留資格を持っていた。なのに今年、急に理由もなく在留資格を切られ、一家全員仮放免に。小さい赤ちゃんもいる。39度の熱があっても病院に行かせてあげられなかった。中1の方「くやしかった」。コロナの検査や治療をしたら20万円かかったことも。在留資格があった9年間は働けていたが、今は働くことが禁じられている。「おじさんにずっと助けてもらっています。でも、もう嫌」。
学校は楽しい。一番楽しかったことは「修学旅行」。でも、「クルド人が嫌いなやつがいる。『この人ここにいられないんじゃないのー?なんで日本にいるのー?』って」「先生は日本人と外国人で扱いが違う」。
高校受験を控えた中3の方。今は高校無償化でお金がかからない。でも、「仮放免者は住所がないから無償化にはなりません」。
皆さん夢も語っていました。「弁護士になりたいです」「夢は女優です」「プロゲーマー」。しかし、在留資格がないこの子どもたちは働くことが認められません。入管はこの子たちに本当に「帰れ」といいます。「帰れない!」と入管職員に抗議したら「黙れ!」と言われたそうです。信じられないかもしれませんが、本当に言われます。
山田さん(NPO法人メタノイア)の講演で、山田さん「もしかしたら在留資格が出るかもしれない。その日に備えて日本語などの学習支援を続けている。私たちが勝手に可能性を閉ざしてはいけない。諦めてはいけない」。
主催の織田さん「なかなか大変だけど、できることはある。是非このことをSNSなどで広めてほしい」。 クルドのお子さん「私たちだけではどうもできません」「協力をお願いします」。
この「仮放免」という「生きること」を片っ端から奪う現状について小さいお子さんを含めた当事者の方々は頑張って声を挙げ続けています。マイノリティの問題はマジョリティの人たちが動かないと変わりません。 強く思いを新たにしました。引き続き訴えかけていきます。

■12月18日(日)「出張!難民・移民フェス」
行ってきました! アフリカ料理とミャンマー料理。過去2回の「難民・移民フェス」では瞬間的に売り切れてしまい買えず。「ロレックス」、気になっていました。これから家に帰っていただきます。美味しそう。楽しみです。 出店、まだやってます。売り切れる前に皆さまも是非。

出所:大澤優真撮影
出所:大澤優真撮影

■12月18日(日)「晩ごはんはグローバル」
今日の晩ごはんはグローバルです。美味しかったです。
川口のクルドの子どもたちのイベントで買った「ピザ」「コロッケ」「ほうれん草ケーキ」「チョコレートケーキ」。 高円寺の出張難民・移民フェスで買ったアフリカ料理「ロレックス」「チキンピラオ」。ミャンマーの「サモサ」。素晴らしい日曜日。

出所:大澤優真撮影

■12月18日(日)「イラン当局、アカデミー賞受賞作の主演女優を逮捕…『ヘジャブ』デモ参加者の処刑を批判」
日本には難民として認められず苦しみ続けているイランの仮放免の方が沢山いらっしゃいます。すぐに在留資格を出すべき。

イラン当局、アカデミー賞受賞作の主演女優を逮捕…「ヘジャブ」デモ参加者の処刑を批判
【読売新聞】 【テヘラン=西田道成】女性の髪を隠すスカーフ「ヘジャブ」の着用を巡る抗議デモが続くイランで、デモ参加者の処刑を批判していた著名女優のタラネ・アリドゥスティさん(38)が17日、「偽情報を広め、反体制運動を支援した」とし
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