水が善人・悪人を区別しないように/監理措置と就労/あるべき像

2023年10月2日(月)~8日(日)の記録(https://twitter.com/yumananahori)です。

■10月4日(水)「水が善人・悪人を区別しないように」
中村哲さん「水が善人・悪人を区別しないように、誰とでも協力し、世界がどうなろうと、他所に逃れようのない人々が人間らしく生きられるよう、ここで力を尽くします

会報126号|ペシャワール会|中村哲医師

■10月4日(水)「移民とアディクション」
「移民とアディクション」に関する実践が必要だと感じています。アディクションのケアに加えて法律や言葉、文化的背景などを考えつつ。地域にはすでに実践があるはず。学びたいです。

■10月5日(木)「監理措置と就労」
2022年11月に国連から日本政府に対して「Karihomensha」に「収入を生み出す活動に従事する機会を設けること」を検討すべきとする勧告が出されました。つまり、何らかの就労を認めるべきということです。しかし、仮放免者は就労が禁じられたままです。
新入管法では監理措置がスタート。退去強制令書発付後で監理措置を受けている人は「収入を伴う事業を運営する活動を行つたもの又は報酬を受ける活動」が禁止、罰則もあります(70条1項10号)。私が支援する人の多くはこれに当てはまり、就労することが出来ません。国連の勧告を踏まえた対応をすべきです。
その一方で、退去強制令書発付前で監理措置を受けている人は就労できる可能性があります(44条の5)。以下条文。「生計の維持に必要な範囲内で、監理人による監理の下に、主任審査官が指定する本邦の公私の機関との雇用に関する契約に基づいて行う報酬を受ける活動として相当であるものを行うことを許可することができる。この場合において、主任審査官は、当該許可に必要な条件を付することができる」
一歩前進ではありますが、ここからわかるように、主任審査官の判断で就労の可否と程度が決まります。ブラックボックスにならないように基準を明確にすべきです。また、私は法律に詳しくないのでわからないのですが、当該人は在留資格を持って就労するのでしょうか(新しく付与される?)、在留資格を持たずに就労許可というものが出るのでしょうか(法律上それは可能?)。わからないことが沢山あります。勉強が必要です。

■10月5日(木)「その場の『論理』」
私は幸運で、人から何と言われようとも(ご自身もそれを理解した上で)、その場の「論理」に反しても、抑圧されている人のために筋を通す人を見てきました。もちろん、その場では「空気読めないやつ」「自己中心的なやつ」「何もわかってないやつ」扱いをされるのですが、長い時間をかけて最終的にはその人が筋を通したから建設的な方向に向かったということを目撃してきました。その場の「論理」に必ずしも従う必要はないのだろうと思います。これはとても骨の折れることで私にはできるのだろうかと感じていますが、そうした人たちから学び、行動することが必要だと考えています。

■10月5日(木)「あるべき像」
外国籍の方はパートナーとの関係性で自身が日本にいられるかどうかなどが決まることがあります。例えば、離婚すると不安定な在留資格になったり、日本にいられなくなったり。本国に帰れればいいですが、諸事情あり帰れない場合は辛い生活が待っています。
外国人には「あるべき像」以外の生き方をすることが困難です。「あるべき像」からそれると、たちまち日本で暮らし続けにくくなります。生活するための足場がなくなるのです。この「あるべき像」は日本社会に暮らす人たちがつくりあげてきたものです。「あるべき像」を問い直すことは日本社会に暮らすすべての人に影響するのだと感じています。

■10月6日(金)「統計がなくなった」
いま気が付いたのですが、「在留外国人統計」から「総在留外国人」に関する統計が2022年12月末以降、廃止されています。これにより、「3月」以下の在留期間が決定された人たちの数がわからなくなりました。国民健康保険に加入できる人は、原則「3月」を超える在留資格を持つ人に限られています。この人たちがどれくらいいるのかがわからなくなってしまいました。また、難民申請者の中には「3月」以下の人たちもいます。この人たちもどれくらいいるのかわからなくなってしまいました。代替するような統計があるのでしょうか。困りました。

■10月6日(金)「また命からがら逃げてた難民が路上生活になっている」
また命からがら逃げてた難民が路上生活になっている。支援者の方から連絡。埼玉にひとり、千葉にひとり。もうひとりいるという噂も。支援者の方々がフル稼働。私は千葉に向かっています。お金が続かなくなったらもう支援できません。遠くないうちにそうなり得ます。
前に保護した彼は涙を流していました。他の彼は何度も何度も「ありがとう」と言っていました。赤ちゃんも子どもも妊婦さんもいました。犯罪に巻き込まれそうな人もいました。 お金が不足、食べ物が不足、秋冬の衣服も不足、通訳者も不足。パンク状態です。大変です。
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夜、郊外の駅で無事に会えました。お二人。2週間、駅や公園で路上生活をしていました。「とてもとても大変だった。寒かった
お金がどうなるかわかりませんが、先ほどホテルをとって入ってもらいました。ご尽力いただいた支援者の皆さま、心からありがとうございました。私は終電に間に合わず、どうしたもんかと思いつつ、行けるところまでの電車に乗っています。悪い気はしません。ただ、こういうことができるのはお金と体力次第だろうなと感じています。
彼はファミリーマートを指して「このポストオフィスから家族に手紙を送れるんだね。送りたいからよかった」と言っていました。正しい郵便局の場所をお伝えしました。 でも、こんな厳しい状況なのに、家族思いなのだなと感じました。

■10月8日(日)「講演会」
今日は私の生まれ育った場所にある教会で「難民・仮放免者と貧困」についてお話ししました。貴重な報告の場をありがとうございました。 地域で支援をされている方もいらっしゃいました。皆様のご尽力に感謝申し上げます。大変なこともありますが、頑張っていこうと気持ちを改めました。

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