自転車で持ってきてくれたチキンカレー/難民・移民フェス/書類をコピーするお金も送るお金もないです

2023年5月15日(月)~21日(日)のTwitter(https://twitter.com/yumananahori)の記録です。

■5月15日(月)「入管法政府案は『命』の問題 他者のために声をあげることができるか」
タイトルの通りです。 入管法改定案が可決されたら文字通り命の危機に直結します。私の知り合いの命が奪われます。心の底から認められない。どうすれば止められますか。できることはしますから。

入管法政府案は「命」の問題 他者のために声をあげることができるか | | 稲葉剛 | 毎日新聞「政治プレミア」
 雨空のもと、「入管法改悪反対!」の声が響き渡った。  入管法政府案の廃案を求めて、5月7日に東京都杉並区で開催された集会・デモでは、降りしきる雨にもかかわらず、約3500人(主催者発表)が集まって反対の声をあげた。

■5月16日(火)「パンク寸前」
昨晩に間もなく家を失う仮放免状態に置かれている難民の方について相談あり。ホームレスにはさせたくありません。
深夜、仮放免状態に置かれている難民女性から「辛くて病院に行きたい」とメールあり。お金はどうするのか。調整しています。
今日お昼ごろ、在留資格のない女性が病院に行けずに困っていると連絡あり。情報収集中です。
支援ではない別の仕事もしなければなりません。正直パンク寸前です。シェルターからアパートに転宅されて長くお世話になっている地域のご高齢の日本人の方から「健康だけは気を付けてくださいね」とお言葉をいただきました。つくろい東京ファンドスタッフの方からも同様のお言葉をいただきました。ありがとうございます。健康に留意して活動を続けます。

■5月17日(水)「ソーシャルワーカー、連日日付を越える勤務」
今日も難民や仮放免者、外国籍の方に関する医療と住居に関する相談が多数。ある病院のソーシャルワーカーの方も連日日付を越える勤務だと話していらっしゃいました。

■5月18日(木)「家を失った仮放免者」
また家を失った仮放免状態の方の相談がありました。就労を認めてください。そうすればどうにかなる人たちがいます。今はどうにもなっていません。

■5月18日(木)「『命』『人生』の問題」
難民認定申請2回目だと思っていた方が3回目だと判明しました。彼は命からがら日本に逃げてきました。日本で死を覚悟するほどの経験をし、乗り越えてきました。料理が得意です。私たちに振る舞ってくれています。先日もお世話になっている医療機関で腕を振るったそうです。入管法が通ったら彼は逃げてきた国に無理やり帰国させられてしまう。これは「命」「人生」の問題です。命がかかっている、何がなんでも認められません。なんの脚色もなしに、この法律は法律によって人を殺すことを可能にします。認められません。

■5月18日(木)「ホームレス化する仮放免者」
ホームレス化し、収容され、亡くなったジャンルカさんについてお話があるとのことです。 毎週、何人も「家を失いました」「もうすぐ失います」という相談を受けています。昨日も今日もありました。自殺を計り路上生活をしていた方にも出会ってきました。彼は今はそこそこ元気です。安心安全な住居と適切なケアがあれば生きていけます。そしてなりよりも国連も指摘しているように難民や仮放免者の生活保障を国や自治体は行う必要があります。支援団体に繋がらずに苦しみ続けている人がいると思われます。支援団体もあっぷあっぷで限界です。

■5月19日(金)「アフリカ料理パーティー」
月曜日は、急遽、困窮する外国籍の方の通院同行をしました。なんとなく気になってお電話したら「お金がなく病院に行けない」とのことでした。私から聞かなかったら病院に行かずに我慢してたのだろうと思います。支援団体もお金の工面が大変です。アウトリーチ的なことをすると自分の首を自分で絞めるような状況になってしまいます。しかし、医療を受けられて良かったとも思います。このバランスがとても難しいです。ある方から「社会資源にアクセスできるために、どのようなアウトリーチ手法が必要ですか?」とご質問をいただいたことがありますが、困窮外国人支援についていえば、アウトリーチをしなくても相談は殺到、しかし、公的支援はほぼなく救いきれない人が沢山いるというのが現状です。

その後、難民の方と行政資料の作成をした後、メディアの方から取材。伝えたいことが多すぎて話しすぎていつも反省しています。 
夜は難民の方のお料理パーティー。アフリカの料理です。名前は忘れましたが、どれも美味しかったです。本国では家族が沢山いたので10人分以上沢山つくるのは余裕だそうです。彼女もとても辛い経験をしています。日本語教室の方、難民支援にご関心のある方にも来ていただきました。またイベントをしたいです。

出所:大澤優真撮影
出所:大澤優真撮影
出所:大澤優真撮影

その後は外国人支援関係のオンラインミーティング。夜遅くにも関わらず多くの支援者の方々が集まり、困窮する外国籍の方の命や健康を守るために考え、行動されています。頭があがりません。私は経験年数も短く、ぺーぺーなのですが、皆様の一助になれればいいなと改めて感じました。

■5月19日(金)「自転車で持ってきてくれたチキンカレー」
火曜日も難民や仮放免者の方、支援者の方から「家を失いそうです」「病院に行けません」と複数相談がありました。バタバタです。

夜は反貧困ネットワークぐんまの総会で記念講演をさせていただきました。様々なカテゴリーの外国籍の方が困窮化していること。その際にサポートする制度が不十分だったり、無いということ。結果として「生きていけない」人が出てしまっていることなどをお話しました。多くの方にご参加いただきました。報告の場を与えてくださった皆様、ご参加くださった皆様、ありがとうございました。

出所:大澤優真作成資料
出所:大澤優真作成資料

その後は、難民申請中の仮放免状態にある方からいただいた「チキンカレー」を晩御飯にいただきました。私のためにつくって自転車で持ってきてくれました。そこまでしていただくと本当に申し訳ないのでその旨お伝えすると「私は大澤さんに作りたいんです。無理してないです」とのことだったのでありがたくいただきました。美味しかったです。自分では作れないカレーです。

■5月19日(金)「『安心安全な場所がある』と思えるということ」
水曜日は急遽、仮放免状態に置かれている難民のお母さんの歯医者同行です。痛くて眠れないと相談があり、病院に繋いだのですが、病院の方から「通訳者不在だと受診できません」とのお話。通訳者を探しましたが、誰もいなかったので、私がついていくことにしました。小さいお子さんがお二人います。お母さんが治療中の間は私が子守りのようなものをしていました。最初はお母さんと離ればなれで泣き崩れていましたが、オモチャで一緒に遊んで元気になりました。日本語話せませんが、一緒に歯医者さんごっこをしました。歯を抜かれました。あっちこっちに行ってしまって何回も病院の外に出てしまいかけていてヒヤヒヤしました。3.5時間一緒に遊びました。 楽しかったですが、毎日はしんどいですね。以前お母さんから「子育てが辛い(Google翻訳)」と連絡がありましたが、頼れる人がいなかったり、保育園に預けられなかったりすることでなお辛いのではないかなと感じています。
その後は別の仮放免状態にある方の通院同行。精神科です。1人は私が子守り的なもので間に合わず、受診が終わっていました。家賃が高くてとても辛いという相談を受けました。それが精神的なストレスにもなっているのだろうと思います。もうお一人はだいぶ元気になってきたなと感じました。パニックにならない形でポツポツと入管収容や仮放免というせいで引き起こされた暴力によるトラウマについて語っていました。ご本人の努力、安心安全な場所を作ってくださった医療機関や支援者の皆様のおかげです。もうお一人もしんどい状況について語っていました。この方も前よりはだいぶ良くなってきたなと感じています。「安心安全な場所がある」と思えることはとても大事なことだなと考えています。帰り道、この方からは今までどのような、そしてどのように外国人差別を受けてきたかを聞きました。
この日はまた仮放免状態に置かれている方から「ズッキーニのカレー」をいただいてしまいました。なんども「無理しないでくださいね」とお伝えしましたが、「好きでやってますから」とのお話。私も今度何かお返しをしたいと考えています。

出所:大澤優真撮影

■5月19日(金)「日弁連のシンポジウム」
金曜日は夜から日弁連主催のシンポジウムで少しお話をしました。場所はつくばです。法律家の皆さま、長く支援活動に取り組まれている皆さま、仮放免当事者の方からお話がありました。仮放免状態にある方は「私たちただ難民として日本に助けを求めているだけです」とお話されていました。しかし、日本政府はそんな難民の方を法律でもって死に追いやろうとしているわけです。脚色なしに本当に「死」をもたらそうとしているわけです。 仮にこの法案が通ったら「送還忌避者」の食料や生活支援をするだけで支援者が共犯となって捕まる可能性があるそうです。そんなことをしたらもっと人が死にます。ありえません。廃案しかありません。強く強く示します。

出所:日弁連HPより転載
出所:日弁連HPより転載

■5月20日(土)「難民・移民フェス」
今日は「難民・移民フェス」に参加しました。このフェスを企画・準備・運営をして下さった皆様、お集まりいただいた皆様、難民・移民の皆様、本当にありがとうございました。心から素晴らしい会。皆さまのお力がなければ文字通り完遂できませんでした。

私たちつくろい東京ファンドは「スリランカ」と「チュニジア」ブースを出店していました。スリランカのお二人はほぼ寝ずにスリランカカレーなどを作りました。早々に完売でした。チュニジアの方は途切れぬ行列を前に想定を上回る量の「ブリック」を作り続けていました。こちらも完売です。彼はさっそく「次は300個だね。○○の鍋を買えば××時間で出来るから…」とお話されていたようです。 今回のフェスは過去一番の盛り上がりだったと思いますし、この問題に関心を持つ方が増えているのだとも感じました。

出所:大澤優真撮影

ジャーナリストの安田浩一さんとトークをさせていただく機会をいただきました。安田さんの丁寧かつ本質的なお話にずっと首を縦に振っていました。私からは「難民の方の『生きていけない』状況を『知ってしまった』方は是非できる範囲内で本当に少しでもいいから何か動いてくだされば嬉しいです。ひとりひとりの声が必要です。それで実際に動いていきます。1年前のフェスでお話をさせていただいて、その後、福祉や支援に関係なかった人が『どうにかしやきゃ』と考え実際に動いて下さっています。そして、今日のフェスは1年前の何倍も集まっています」という趣旨のお話をしました。
その後、多くの方にお声がけをいただきました。ありがとうございました。また、あるメディアの方から「お客さんにインタビューをしたら『今までこの問題をしらなかった。日本は平和な国だと思っていた。でも違った。できることをしたい』とお話していました」と教えてもらいました。とても楽しいイベントでした。ぜひまたやりたいです。
その一方で難民や仮放免の方はこの楽しいフェスの後も「働けない」「食べられない」「家賃払えない」「病院に行けない」「生きられない」生活が無期限に続きます。フェスの最中にも間もなく家を失う難民の方から相談を受けていました。フェスが終わった後、私の携帯に難民の方から医療費の相談がありました。これが現実です。ぜひ、本当に少しでいいのでできる範囲内で共に考え動いてくだされば幸いです。
でも、楽しかったですね。難民の方も輝いていました。禁止されていることばかりですが、難民の方々も当然ながら輝けるわけですそういうことが普通にできる社会になることを願いますし、そうできるように動きます。

■5月20日(土)「高校生主催のイベント」
今日の難民・移民フェスで高校生の方からいただきました。駒井弁護士の講演会を企画されたとのこと。 今日は他にも高校生や大学生の方からお声がけいただきました。難民・移民のこと、多くの方に広がっているのだなと感じていました。

出所:大澤優真撮影

■5月21日(日)「書類をコピーするお金も送るお金もないです」
仮放免状態に置かれている難民の方。行政手続きのために書類を送ってもらう必要があるのでお願いしましたが「書類をコピーするお金も送るお金もないです」とのこと。以前、病院を手配をして受診してもらおうとしたら「交通費がなくて病院までたどり着けません」ということがありました。厳しいです。

■5月21日(日)「入管法改悪反対!中野アピール」
5月23日火曜18~19時、中野駅北口にて「入管法改悪反対」のスタンディングを行います。ご都合の良い方はぜひ一緒にスタンディングしていただければ幸いです。 中野区にも多くの難民・仮放免者が暮らしています。赤ちゃんもお子さんもいます。共に暮らすために声が必要です。

出所:つくろい東京ファンドHPより転載
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