ホームレス状態の入国まもない難民家族/難民として逃げてくるまでは研究していた人/「人の幸せ」と「社会の利益」

2024年1月15日(月)~21日(日)の記録(https://twitter.com/yumananahori)です。
ーーーーー
今週は、難民・仮放免・外国籍・日本国籍の方から計68件の相談を受けました。
食料相談×3/住居相談×29/医療相談×18/入管関係相談×4/日本語教育相談×1/その他×13
ーーーーー

■1月15日(月)「アフリカネイションズカップ」
アフリカのチャンピオンを決める大会が行われていることをカメルーンの方から教えてもらいました。サッカーです。 日本時間で1月16日(火)2:00からカメルーン vs ギニアです。YouTubeで放送かもとのこと。どっちも応援です。両国ともに難民がいることにも思いをはせながら。

アフリカネイションズカップ 試合日程・組み合わせ・対戦カード | Goal.com 日本
アフリカネイションズカップはいつ開催?試合日程・組み合わせ・対戦カード・抽選・開催地・テレビ放送を紹介。

ーーーーー
引き分けだったようです。画像

■1月15日(月)「相談」
今日も多くの難民や仮放免の方から相談がありました。
食料相談×1、医療相談支援×4、家賃相談支援×3、日本語教育相談×1でした。ご寄付いただいたことで何とか支援ができました。ありがとうございます。感謝申し上げます。

■1月16日(火)「ホームレス状態の入国まもない難民家族」
今日、事務所にいたらノックする音。ドアを開けたら小さいお子さんを抱える黒人男性。後ろには女性も。「I need help」 。
私も知る民族独立運動のメンバー。さらに移り住んだ国で差別を受け襲われたそうです。入国してから数日。ホテルはなくなり所持金も少なく。ホームレス状態になっていました。口をぶるぶる震わせていました。「日本に来たらとても寒くて…」と薄着の夫が言っていました。あまり寝ていないとのことで、冬の衣服と食事をお渡しして休んでもらいました。1歳のお子さんもいるので、とりあえずホテルを手配しました。でも1週間で5万円くらいになってしまいます。継続は困難。ホテル後の行き先も困難。でもホームレスにはさせられない。しかし…。
数時間後、ご家族に私たちの団体での支援には限界があること、1週間のホテルのサポートの後は何も決まっていないことをお伝えしました。両親から「ありがとうございます」と話があり、夫からは「私ひとりなら路上生活でもいいし食べ物もいらない。でも、娘だけはどうにか助けてほしい。寒さに凍えてしまっています。どうぞ助けてください」 。
子を思う親の気持ちを強く感じていました。しかし、私からは「わかります、わかります」としか言えませんでした。入国まもない単身者、子ども含む家族、妊婦さんを抱えています。厳しいです。この家族がよりよい方向に進むことを願っています。

■1月16日(火)「沢山の相談」
今日は難民・仮放免状態の方・日本人の方に関する、食料相談×2、医療相談×3、住居相談×2、その他生活相談×3がありました。 同僚の皆さんも沢山の相談を受けていました。同僚の方とシェルターからアパートへと転宅された皆さんがシェルターの清掃をしてくださいました。いつもありがとうございます。

■1月17日(水)「難民の女性と子どもに迫る『住まいの危機』」
萩原芳子さん「振り返ってみると、日ごろかかってくる電話の大半は子供がいる家庭からのSOSです。やはり一番苦しくストレスも多いのだと思います。…仮放免の母子家庭です」

難民の女性と子どもに迫る「住まいの危機」 | | 稲葉剛 | 毎日新聞「政治プレミア」
 「祖国を追われた難民・避難民一人ひとりが、夢を語り、努力し、それを実現できる、私は、それこそが、我々が心に描くべき未来の展望だと考えます。日本は、教育や職業訓練を通じて難民・避難民が自立していくことを支援しています」

■1月17日(水)「どうぞ私たちを助けてください」
今日は難民や仮放免状態の方について、住居相談×3件、医療相談×3件、入管関係相談×1件、その他生活相談×2件がありました。 ホテルで保護している1歳のお子さんがいる難民申請中のご家族の母から「ゆうまさん、どうぞ私たちを助けてください」と連絡がありました。4ヶ月家賃滞納されている方からも。

■1月18日(木)「仮放免者に何ができるか、すべきか」
『民医連医療』に寄稿しました。タイトルは「仮放免者に何ができるか、すべきか」です。 5回に渡って仮放免状態に置かれている方の現状についてお伝えしてきましたが、今回はそのまとめと展望です。よろしければご覧ください。

出所:『民医連医療』より転載
出所:『民医連医療』より転載
出所:『民医連医療』より転載
民医連医療 2024年2月号 – 全日本民医連

■1月18日(木)「難民として逃げてくるまでは研究をしていた人」
今日は難民や仮放免の方について、家賃相談支援×9件、入管関係相談×1件、その他生活相談×2件でした。 就労可能な在留資格を得て建築現場に働きに出た人から連絡が来ました。「It’s very difficult」ということで大変そうです。難民として逃げてくるまでは研究をしていた人。怪我しないように…。

■1月19日(金)「子どもと共に家がない人」
今日は難民・仮放免状態にある方・外国籍の方について、住居相談支援×4件、医療相談×5件、入管関係相談×1件、その他生活相談×2件でした。 家賃を滞納して追い出される寸前の人、子どもと共に家がない人、慢性疾患で苦しむ人、生活費がなく生活が立ち行かない人。 制度が変わればどうにかなる問題です。

■1月19日(金)「マネ」
今日は仮放免状態にある難民の方な通院同行でした。慢性疾患は小康状態。医療費の心配は尽きませんが、健康でいてほしいです。 彼から「大きな地震やばいね」「ほんとかわいそう、大変」。地震にあったらどうしましょうかねと話し込んでいました。
夜は外国人医療支援に関するミーティング。各地の外国人医療に関わる医師、ソーシャルワーカー、支援者らが集まりました。どこも厳しい、現状が社会に知られていない、国はよく知っているけど問題化させたくない。やはりまずはこの状況を可視化させていくことの重要さを再確認しました。引き続き様々なアクションを起こしていきます。長年支援をされている方々とお話していると、自分は経験不足だな、あの人のマネはできるのだろうかと、いつも感じます。修行です

■1月20日(土)「『人の幸せ』と『社会の利益』」
『私は、ダニエルブレイク』を観ました。観る度に気付きがあります。
医療や福祉の法律・制度は「人の幸せ」を達成することが目的かと思います。しかし、色々と手が加えられていく中で「社会の利益」に変換されていくことを目の当たりにしてきました。でも実はそもそも「人の幸せ」ではなく「社会の利益」が優先だったのか。現実にできることを踏まえつつも、何のための誰のための法律や制度なのかを常に自問していく必要性を感じています。
冨江直子『救貧のなかの日本近代 生存の義務』も参考になるかもしれません。

出所:『わたしは、ダニエル・ブレイク』より転載
救貧のなかの日本近代 - ミネルヴァ書房 ―人文・法経・教育・心理・福祉などを刊行する出版社
ミネルヴァ書房は、人文・社会科学の学術出版社です。人文・法経・教育・心理・福祉の書籍を中心に刊行しています。

■1月20日(土)「お金を工面」
今日は難民・仮放免状態にある方・外国籍の方について、住居相談×5件、医療相談×2件、入管関係相談×1件、その他生活相談×2件でした。 仮放免の方から次の受診の時はサポートは必要ないですとご連絡がありました。どうにかお金を工面したそうです。よかったです。

■1月21日(日)「国籍を問わず」
今日は仮放免状態にある方・難民の方について、住居相談×3件、医療相談×1件、その他生活相談×2件でした。 サポーターの方から長く路上生活をされている日本国籍の方のところに行きますとご連絡がありました。国籍を問わず当たり前のように医食住が保障されることを願います。

タイトルとURLをコピーしました