デマと議員候補者/移民と治安に関するデマ

2025年6月30日(月)~7月6日(日)の記録(https://x.com/yumananahori)です。

■7月1日(火)「野球」
今日は企業の方から野球のチケットをいただき、シェルターやアパートに暮らす方、難民申請者や仮放免の方、日本語教室の皆様と一緒に観覧に行きました。大変ありがとうございました。 始めて見たという方、40年ぶりに見たという方。私も楽しかったです。

出所:大澤優真撮影

■7月1日(火)「デマと議員候補者」
外国人に関する荒唐無稽なデマが相次いでいます。わざと言っているのでしょうか。わざとでなかったら発言する前に少しでも公的統計にあたってみたり調べたりしないのでしょうか。全員がそれをできる必要はありませんが、議員候補者はすべきだし、できない方は当選されない方が良いのではないでしょうか。

■7月2日(水)「移民と治安に関するデマ」
外国人と治安について不確かな情報が流布されています。 2025年6月出版の是川夕先生のレポートでは統計の分析を通して「外国人の増加による治安の悪化といった現象は事実として存在しない」と示しています。「外国人と治安」については、諸外国の様々な研究で上記の結論と同様な結果が示されています。是川先生のレポートは日本国内でもそうであることを示した大きなエビデンスのひとつです。
「外国人と治安」については、橋本直子先生の『なぜ難民を受け入れるのか 』と永吉希久子先生『移民と日本社会』を参照しました。また、今週金曜日に放送されるポリタスTVでも、この件と社会保障に関するデマについてお話しましたので、ご関心ある方はご視聴ください。

連載 統計から読み解く移民社会④ 日立財団グローバル ソサエティ レビュー:日立財団
日立財団グローバル ソサエティ レビューのサイトです。専門領域を超えた有機的な交流と相互理解を深める機会を創出し学術分野における新たな発想や視点のひろがり及び発展への一助となることをめざし多文化共生社会の構築に貢献することを目的に創刊されました。
なぜ難民を受け入れるのか/橋本 直子|岩波新書 - 岩波書店
国際社会はいかなる論理と方法で難民を保護してきたのか。日本の課題は何か。政策研究の知見と実務経験をふまえ多角的に問い直す 橋本 直子 著
移民と日本社会 データで読み解く実態と将来像 -永吉希久子 著|中公新書|中央公論新社
少子高齢化による労働力不足や排外主義の台頭もあり、移民は日本の大きな課題となっている。本書は、感情論を排し、統計を用いた計量分析で移民を論じる。たとえば「日本に住む外国人の増加により犯罪が増える」と考える人は6割を超えるが、データはその印象を覆す。こうした実証的な観点から、経済、労働、社会保障、そして統合のあり方までを...
横浜市も兵庫県と同じ!? 混迷の横浜市政と市長選の構図|ゲスト:犬飼淳(7/31)#ポリタスTV

■7月4日(金)「外国人バッシングの行き着く先」
2012年ごろの生活保護バッシングの時も事実も根拠も無視の何でもありの「報道」や発言の流布だったと記憶していますが、今の外国人バッシングもそれと同様なものを感じます。
その成果として最高裁でも違法と判断された保護基準の引き下げが行われました。また、引き下げで保護利用者以外の人の生活が楽になったとは、少なくとも困窮者支援の現場にいる者の立場からはそうは思えません政治的な道具として使われた要素が大きいと私は評価しています。
私は社会保障関係のことしか把握・検証できていないのですが、日本国籍者よりも優遇されているとは言えない状況なのは明らかです。外国人バッシングの行き着く先は何なのでしょうか。よくいわれる「日本人のため」になるのでしょうか。
私は2012年の生活保護バッシングの流れになんとなく流されていた一人です。そのとき、生活保護に詳しい方がデータと根拠を持って生活保護の様々な側面を教えてくれました。私は「根拠もないのに生活保護は不正受給が多いんだと考えていたんだろう」と内省しました。その自問自答は今も続いています。 私にできることは、国籍を問わない困窮者支援の現場から、自問自答できる環境をつくっていくことかもと感じています。

■7月4日(金)「潰れる支援団体」
難民申請者や仮放免の方々からの「食べ物がない」「ホームレスになっている」「病院に行けない」という相談が相変わらず多数寄せられています。 ある支援団体の方に相談をしたら事業を畳まれていました。別の支援団体も財政的理由で今夏には潰れるという話でした。どこも危機的状況です。
支援団体がなくなるのは寂しいですがしょうがないとして、しかし、支援団体・支援者や医療機関などは難民申請者や仮放免の方々の命と健康を不十分ながら支えてきました。しかし、今後はさらに「生きていけない」状況になることが目に見えています。手遅れになる前に公的支援がいますぐに必要です。

■7月5日(土)「戦後80年 僕の日本人助産師を探して」
観ました。素晴らしい番組でした。 一人の女性を通して、戦争がもたらしたこと、もたらし続けていること。それをどう乗り越えようとしてきたのか、今を生きる私たちはどうするのか。ぜひ多くの人に見てもらいたいです。 いま必要なドキュメンタリーです。
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いいドキュメンタリーだったので、感想をNHKにお送りしました。ポジティブなことは思ってるだけだなくガンガン伝えたい主義です。

https://x.com/yumananahori/status/1939842067636912449
出所:大澤優真のNHKへの送信画面

■7月6日(日)「外国人は優遇されているのか?移民と日本社会の実態を考える」
最近流布されているデマや不確かな情報について、和田さん金井さんとご一緒にお話しました。私からは社会保障や治安のこと。 議論は開かれているべきですが、デマを根拠にしてはダメです。もし間違えたら反省して訂正する。そんな思いでトークしましたので、ぜひご覧ください。

https://x.com/politasjp/status/1941469106403934485
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