仮放免者とメンタルヘルス/野菜ごろごろカレー/「難民申請中も日本政府から毎年192万円もらってる」 ⇒ 不正確

2023年7月10日(月)~16日(日)のTwitter(https://twitter.com/yumananahori)の記録です。

■7月11日(火)「努力です」
ある支援団体の方から、お金がなくなりつつあるから今まで行ってきた支援を制限せざるを得ないとお話がありました。私の周りの支援団体はそんな感じになりつつあるように感じています。 今できている支援がいつまでもできる訳ではないかもしれませんが、できる限り続けられるよう、努力です。

■7月11日(火)「私は○○です。△△の腕が動かなくなってぐったりしている。吐いている」
月曜日は仮放免状態にある女性の裁判に行きました。弁護士の方より、争点は、①長期収容(4年程度収容されていました)、②職員からの暴行(ビデオ開示を求めています)、③不衛生な収容環境、とのことです。仮放免は17回目の申請で許可されたとのこと。微力ですが、応援しています。
その後は仮放免者を取り巻く状況改善のデモがありました。準備してくださった皆さま大変ありがとうございました。自転車に乗っていた外国籍と思われる方が応援してくれたのが印象的でした。
その後、電車に乗っていたら知らない番号から電話。降りて折り返したら、「私は○○です。△△の腕が動かなくなってぐったりしている。吐いている」との連絡でした。ぐったりしている人は以前から関わりのある路上生活中の方でした。とりあえず、その方がいるところに向かい状況を確認しました。
お世話になっている看護士の方にも電話で相談をして、熱中症の可能性があるけれども脳になにかしらの問題があるかもしれないとの判断になりました。#7119 に 電話をして近隣の病院の情報を教えてもらいましたが、どこも受け入れは困難で、7119の方からも病院の方からも救急車を呼んだ方がいいという話になり、医療費を持ち出すことに覚悟を決めて救急車を呼ぶことにしました。
それをご本人にお伝えしたところ「救急車いらない!」「寝てれば治る!」と強く訴えがあり、ご本人の意思固く、結局は救急車を呼ばないことになりました。当初、病院に行きたいというお話がありましたが、「救急車」という言葉を聞いた途端に強い拒否があったので、昔なにかあったのかもしれません。
とはいえ、重病であることには変わりありません。その後、複数の彼の知人や日頃からお世話になっている看護士の方が訪問に行ってくれています。ありがとうございます。どうにかなるといいのですが。

■7月11日(火)「Thank you. I appreciate it!」
サポーターの方からいただいた自転車を仮放免状態にある難民の方にお渡ししました。「本当?ありがとうございます!嬉しいです。Thank you. I appreciate it!」とお話されていました。私はただお渡ししただけなのですが、私も嬉しいです。
いただいた採れたてのジャガイモを難民・仮放免の方々にお渡ししに行きました。「ありがとうございます」と受け取ってくださいました。これも私はただ渡しただけなのですが、渡せてよかったです。ある仮放免の方は栄養不足と病院で指摘されているので、少しでも栄養をとっていただきたいです。

■7月13日(木)「『目を覚ませ 見つめ続けろ』 ~スティングからのメッセージ~」
・音楽は人々をつなぐ共通の土台を作るか
・「真実」を伝えること

「目を覚ませ 見つめ続けろ」 ~スティングからのメッセージ~|NHK
「見つめていたい」「孤独のメッセージ」「イングリッシュマン・イン・ニューヨーク」 ロック史に残る名曲の数々。私もかつて、英語の歌詞を口ずさんで、その意味を友人と議論するほど、聴き込
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出所:NHKホームページより転載

出所:NHKホームページより転載
出所:NHKホームページより転載

■7月14日(金)「仮放免者とメンタルヘルス」
水曜日は4人の難民や仮放免の方の通院同行でした。すべて精神科です。
最初のお一人は急遽弁護士の方とのミーティングが入ったとのことでキャンセルでした。在留資格の話とのことです。
仮放免状態にある女性は、もともと入管による精神的身体的暴行によって、常に怯えているという状況でしたが、クリニックや支援者の皆さんと安心安全な場所で気持ちを共有し続ける中で、また、ご本人がもともと持っていた力によって回復しつつあるように感じました。地に足のついた様子で意欲が回復していて、ご自身の社会的な「役割」についてお話されていました。それを聞いて私は尊敬の念をいだいていました。力強い何かを彼女の中に見ました
仮放免状態にある男性は体調不良ということで少しお電話でお話ししていました。色々ご苦労を抱えている方で、ご本人も周りも大変な状況です。欧米では当たり前なのかもしれませんが、外国籍の方への福祉的精神医療的支援はまだまだ基盤が築かれていない状況のように感じています。
別の仮放免状態にある男性は身体的にも精神的にもつらい状況が続いています。日本には数十年暮らしています。本国に助けてくれる人はいません。再収容と退去強制が怖いとお話されていました。

■7月14日(金)「野菜ごろごろカレー」
仮放免状態にある方から野菜ごろごろカレーをただきました。私は野菜が好きなのですが、とても美味しかったです。デザートまでいただいてしまいました。名前はわかりませんが、これもとても美味しかったです。いただいてばかりで恐縮なのですが、ありがたいです。

出所:大澤優真撮影

■7月14日(金)「アルコールのアディクション」
木曜日は路上生活をしている方の緊急対応でした。この間、彼の友人たち色んな方々から私に「○○が大澤さんに電話してほしいと言っている、病院に連れていってほしいそうだ」と連絡があり、対応をしていました。彼の友人や私が普段からお世話になっている医療者の方のご尽力をいただきながら、最終的には救急車で搬送してもらうことになりました。幸いにも、あまり待たずに病院に運んでもらえました。脳梗塞の疑いがあったのですが、結果的に問題なし。命の別状はないとのことでホッとしました。
彼には色々なご苦労があって、そのひとつにアルコールのアディクションがあります。体調不良の大きな要因がこれです。幸いにも彼には沢山の友人がいます。今日も友人の一人から「○○が病院に行きたいと大澤さんに頼んでほしいと言っている」と電話がありました。皆さん、彼の状況を理解しつつ「命のことだから」と毎日ご飯を渡しに行ったり様子を見に行ったりして心配しています。 アディクションから派生する様々な出来事はご本人や周りを大変にさせます。様々な方が指摘しているように、これをすれば解決ということはないです。皆さんと協力してできることを模索します。
「助けなきゃ」と思い、実際に行動されている友人の皆さんには尊敬しかありません。ご本人の苦労が薄まっていくことを願います。

■7月14日(金)「『難民申請中も日本政府から毎年192万円もらってる』 ⇒ 不正確。難民政策めぐりTwitterで拡散」
Twitterでデマが流れているようです。それを周知したうえで、以下、支援者の立場からこの件について指摘しておきたいと思います。

「難民申請中も日本政府から毎年192万円もらってる」 ⇒ 不正確。難民政策めぐりTwitterで拡散
「難民申請中も働かずに日本政府から192万円もらってる」という投稿が拡散されていますが、この内容は「不正確」です。ファクトチェックしました。

命からがら逃げてきた庇護申請者には公的支援はほぼなく、食べ物や住居がなく生活苦に喘いでしまう状況があり、それを民間が丸被りしている状況であること。
②民間支援団体による支援は限界を向かえつつあること。
③そのような中、ほぼ唯一の半公的制度である庇護申請者への「保護費」は誰でも受け取れるわけでもなく、かつ、受け取れる金額も期間も制限的で利用しづらく、さらに、お金が全くなくても受け取るのに数ヶ月待つのが普通であること。
④「保護費」受給は権利ではないこと。
⑤過去には予算が無くなったから、「保護費」の支給を打ち切ったことがあること。この件については、難民支援協会HPに詳細が示されています。

第5回 難民「保護費切り」と緊急キャンペーン:市民が動かす社会
2009年4月、日本政府は生活を維持するための「保護費」支給を100人以上の難民申請者に対して打ち切りました。この事態に、難民支援協会(JAR)を含む7団体が生活費の支援のための緊急キャンペーンを実施。 食事や住居に困る…
難民申請者の生活保障のための措置を求める申し入れを行いました
難民支援協会は、外務省の実施する難民申請者への生活支援金(保護費)支給が一部停止された事態を受け、ほか4団体とともに、外務省に申入れを行いました。11日、西村康稔外務大臣政務官に面会し、以下の申し入れ書を手渡し、会談した…

⑥「保護費」は「健康で文化的な最低限度の生活を営む」ために支給されている生活保護法に基づく生活保護費よりも低廉であり、メニューも極めて限定されている。権利性もない。つまり庇護申請者は日本政府から「生存権」以下の生活でもいいとされていること。
⑦命からがら逃げてきた庇護申請者に命や生活のためのサポートをする必要があります。しかし、「保護費」が有効的に機能しているとは言い難い状況です。しっかり保護をして、生活や就労の基盤をつくってもらい、ご本人の可能性や日本社会をともに創り上げていく素地をつくる。これが必要だと考えます。

■7月16日(日)「日本『難民認定の壁』 企業とマッチングで“就労ビザ取得” NPOが支援」
命からがら逃げてきて一時はホームレス状態にもなった難民の方。NPOの方の協力も得て一時に比べて安定的に日本で暮らすことができている。取組が広がってほしいです。もちろん、国も動くべきです。

日本「難民認定の壁」 企業とマッチングで“就労ビザ取得” NPOが支援
日本は世界各国と比べ、難民申請をしても認定率の低さがたびたび指摘されています。難民認定を待つ人を支援しつつ、「企業の戦力」として活躍してもらう新たな取り組みが広がっています。
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