2021年1月、茨城県に暮らす仮放免者親子から「中学校から督促が来ているが払えない」と相談がありました。仮放免者は働くことが許されておらず、支援がなければ学費等なにも払えない状況です。
その後、諸々のやり取りの末に就学援助を使うことができるようになりました。以下、その交渉の際に用いた資料です。必要な方はご活用ください。
なお、就学援助制度の詳細についてはこちらが参考になります→https://news.yahoo.co.jp/byline/ohnishiren/20210407-00231351/
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
A市議会議員 ○○ 様
ご支援してくださり、誠にありがとうございます。
以下に本件問題の状況及び今後の展開の可能性について示しました。どうぞよろしくお願いいたします。
◇ご本人の状況
2021年1月22日に茨城県A市在住の仮放免者であるフィリピン人女性から電話相談。
中学1年生の子ども(仮放免者)と2人暮らし。子どもの通学するB中学校から6万円の督促が来ているが払えないという内容。
◇B中学校の見解
北関東医療相談会内部で就学援助が使えないかとの話になり、B中学校にTEL。しかし、同中学校は住民基本台帳に載っていないことから就学援助の適用を拒否。
◇茨城県教育委員会の見解
茨城県教育委員会にTEL。自治体の判断とする返答。
◇文部科学省の見解(別紙1)
仮放免者への就学援助を禁止する規定はなく、各自治体の判断によるとする見解。
◇今後の可能性(別紙2)
2018年8月10日総務省事務連絡には、「入管法等の規定により本邦に在留することができる外国人以外の在留外国人(=仮放免者や非正規滞在者など)に対して行政サービスを提供するための必要な記録の管理等に関する措置」の取り扱い状況について示されている。
当該通知18には「公立の義務教育諸学校への受入れ」は「在留資格の有無にかかわらず提供の対象となっている」と示されている。
また、上記「サービスを提供するための現在の情報把握・記録管理の方法」として、「被仮放免者情報の市町村への通知」が示されている。
⇒①義務教育学校への受入れには「被仮放免者情報の市町村への通知」が使用されている。
就学援助についても住民基本台帳への記載がなくとも「被仮放免者情報の市町村への通知」でことが足りるはずである。
②仮に、「被仮放免者情報の市町村への通知」では就学援助の適用は認められないとするのであれば、A市はその理由を説明しなければならないし、その理由は「差別」以外にはないのではないかと考える。
◆別紙1
◆別紙2