裁判所みなさま日本人よろしくお願いします/私は殺される。お前たちは逃げなさい/私たちはいつでもウェルカムですよ

2023年5月8日(月)~14日(日)のTwitter(https://twitter.com/yumananahori)の記録です。

■5月8日(月)「裁判所みなさま日本人よろしくお願いします」
裁判開始直前に裁判官の方が体調不良ということで延期になったそうです。私も先ほど知りました。支援者の皆さんと暴力に対して入管に抗議してから帰ります。

出所:大澤優真撮影

鈴木さんから抗議のスピーチ中。
マークさん「家族は日本にいる。日本人はとてもいい人。でも入管は違う。私はアニマルじゃない」

出所:大澤優真撮影

マークさん「25年以上日本にいる。入管の中で暴力を受けた。身体を損傷した。こんなことが起きるのは許せない。すでに日本には多くの外国人が暮らし活躍している。外国人にも権利を認めてほしい多くの方に応援してほしい。よろしくお願いいたします」
笹本弁護士「8人から暴行を受けた。手錠をはめられた。入管職員から『有り金をよこせ』と言われ続けていた。身体的精神的暴力を受けていました。マークさんは難民申請もしています。入管法は悪い方向に進められています。次回以降の傍聴もお願いいたします」
収容されていた女性「3年以上収容されていた。入管の中の暴力で今も眠れない。入管のせいで病気になった。外に出ても病院に行けない。仕事もできない。ボランティアに頼るしかない。入管は何言ってるかわからない。よろしくお願いします」
マークさん「入管はヤクザですか!裁判所みなさま日本人よろしくお願いします!」
皆さま、引き続きご支援をどうぞよろしくお願いいたします。

出所:大澤優真撮影

■5月10日(水)「緊急対応」
皆さまにお伝えしたいことが山ほどあるのですが、今週は毎日朝から夜まで緊急対応があり、大変なことになっています。命からがら逃げてきた家族、単身女性。家を失った人たち。ホームレス化直前の人たち。病院に行きたくても行けないひとたち。家族からDVを受けているが生活手段がなく逃げられない人。

■5月11日(木)「『在留資格の有無や種類』ではなく実態を踏まえた保護の適用を」
『賃金と社会保障』2023年5月上旬号(1825号)の「特集 外国人の生活保護受給権・生存権」に寄稿しました。 「『在留資格の有無や種類』ではなく実態を踏まえた保護の適用を」です。千葉で行われている裁判のために書きました。ぜひご一読ください。

出所:旬報社HPより転載

今回、私が一番伝えたかった点はここです。
外国人・困窮外国人に対しては、つねに『排除ありきの議論』が行われてきた。…『どうすればこの人の命を救えるのか』という観点で判断していただきたい…。もう『排除のための議論』はやめて『包摂のための議論』を行うべきだ

出所:『賃金と社会保障』より転載

■5月11日(木)「外国人の生存権、どう保障する 生活保護を利用できるのは一部だけ」
取材を受けました。記者の方のご指摘の通り。
「外国人が過去最多となり、困窮する人も増えるなか、生活保護を利用できる人は限られている。外国人の生存権をどう保障していくのか課題は残されたまま

外国人の生存権、どう保障する 生活保護を利用できるのは一部だけ:朝日新聞デジタル
 日本に住むガーナ人の男性が生活保護の利用を求めて自治体を相手に裁判を起こしている。透析治療中で母国に帰れず、働くことも認められない状況で、「外国人にも生きる権利を保障してほしい」と訴える。在留外国人…

■5月12日(金)「入管法の改悪に反対する大集会」
入管法の改悪に反対する大集会に来ました。人が多くてスピーカーが見えないほどです。宗教者の方々からスピーチ。北関東医療相談会の長澤正隆さんからも発言。長澤さんしか言えないだろう力強い檄が飛びました。入管法改悪反対!入管法改悪反対!入管法改悪反対!
#入管法の改悪に反対する大集会 #入管法改悪反対

出所:大澤優真撮影
出所:大澤優真撮影

■5月12日(金)「私は殺される。お前たちは逃げなさい」
月曜はマーク・ゴードンさんの裁判に行きました。無抵抗で暴れたりもしていないマークさんを多くの入管職員が取り囲み、押し倒し、苦しそうにしているにも関わらず力を込めて抑え続け、最後は後ろ手に手錠をして放置しました。勝訴する裁判だろうと思います。当日は裁判官の体調不良で延期になりましたが、ご本人と弁護団、サポーターの皆さんと抗議活動をしました。裁判の傍聴をすること自体が支援に繋がります。ぜひご協力をお願いいたします。予定を教えてもらったら共有します。

その後は定例のフランス語レッスン。先生は難民の方です。少しフランス語を読めるようになってきました。でも、発音は難しいです。先生に発音はどうすれば上手くなるのか伺ったところ「アルファベットの発音をマスターすること」とのこと。勉強します。
その後はアフリカ難民の家族の相談。最近日本に逃げてきました。途方に暮れていたところを同郷の仮放免状態にある難民の方が助け、私たちに繋がりました。彼らは奴隷制のもとで奴隷として暮らしていました。法律では禁止されているようですが、慣習として残り続け、差別と暴力が行われ続けています。現代に置いて奴隷制があるということに衝撃です。奴隷の身分なので学校教育は禁止されていました。また、別のカーストの子どもと遊ぶことも禁じられていました。「奴隷だから」という理由でムチで打たれ続けるなどの暴力を受けてきました。私が「体調悪いところはないですか?」とうかがったら「ムチで打たれたことを思い出してしまい辛い気持ちになってしまう」とお話されていました。そのような状況をみかねた父が「私の状況が悪いのはしょうがない。でも、子どもたちまで将来に渡ってこのような状況であり続けるのはおかしい」と領主の立場にある者たちに抗議に行きました。そして殺されました。生前、父は「私は殺される。お前たちは逃げなさい」と言い、家族のパスポートを手配していました。そして、「心の拠り所にしていた父が殺されたので」彼らは日本に逃げてきました。
しかし、日本についても生活の保障はありません。ホームレス状態に陥っていました。食べ物も満足に食べられていない状況でした。そんな彼らを同郷の仮放免状態にある難民の方が助けました。そして、私たちに繋がりました。でも、私たちもシェルターはいっぱいでどうすることもできません。でも、ホームレス状態に戻す訳にもいかない。ホテルを取りました。皆さまからご寄付で宿泊代を払っています。しかし、これはいつまでも続けていけない。でも、ホームレス状態にはさせられない…。
そんなこんなで夜中まで対応をしていて、最後は同じ言葉が話せる難民の方々、支援者の方々と一緒に買い物に行ってホテルへ連れていってもらいました。難民の方々も数ヵ月前に命からがら日本に逃げてきた人たちです。間一髪で命を取り留めて日本に逃げてこられたことは喜ぶべきことです。しかし、日本にはその人たちを守る制度がほぼない。だからホームレス状態になるわけです。命を守るための対応が急務です。

■5月13日(土)「もちろんやりますよ!」
火曜は朝イチで仮放免状態に置かれている難民の方と病院に行きました。耳鼻科です。7年間ずっと「息はほんと苦しい」という状況でしたが、何回か通院を重ねていき良くなってきました。医療費は毎回15000円程度。今後も払っていけるのか頭が痛いです。しかし、息できないのは辛いですよね。元気に

なってきてよかったです。ご本人から「I will always be grateful to you for your support to me, thank you so much」とメールがありました。また、「実は日本語の勉強もしたいんだ」とお話もありました。仮放免の方は勉強したいと思ってもお金がないので勉強しにくい環境に置かれています。地域の日本語教室を探しています。彼はすでに共に暮らしているわけです。これからも共に暮らし続けたいです。
その後、別の仮放免状態に置かれている難民の方の通院同行に行きました。北関東医療相談会の健康診断でひっかかり、その後、別の病院で詳しく健康診断をしたら癌が見つかりました。幸いにも初期だったので、病院と北関東医療相談会でお金を出して癌を摘出。今回はその後の経過観察です。近日中に胃カメラをするということになりました。何もないことを願います。同時に健康診断や初期の段階での治療の必要性を感じています。しかし、仮放免者に予防医療は極めて困難です。北関東医療相談会で取り組みたいところはここです。 人手が足りずボランティアをお願いしたいとご本人にお伝えしました。癌のことで暗い顔をしていたご本人が、急にパッと顔が明るくなり「ユウマさんに助けてもらったんだから、もちろんやりますよ!いつですか?」と。とても助かります。嬉しいですね。少し大変なボランティアですが、お願いします。
その間に仮放免状態に置かれている難民のお母さんからメール。「子どもたちの医療費のために我慢していたけど、歯が痛くて我慢できない。夜眠れない」。北関東医療相談会でお金を出すことにして病院を手配しましたが、通訳がいないとダメとのことで断念。他の病院も同様にダメ。ご本人に通訳を探してもらうようにお願い。その後、連絡が途絶えました。無事に受診できたのでしょうか。心配です。
その後は難民の方な難民認定申請書の作成のお手伝い。支援者の皆さんとのミーティングなど。結局、夜中になってしまいました。他の支援者や支援団体も同様な状況だと聞いています。全国で入管法改悪反対の活動が行われている知らせも。各々できることを頑張っている。励まされます。頑張ります!

■5月13日(土)「DVを受けても逃げられない仮放免者」
水曜は朝早くに支援者の方から連絡。「仮放免状態にある難民の方がDVを受けていて危ない状況で別の住まいが必要」とのこと。緊急搬送もされています。しかし、シェルターはないですし、受け入れたとしても全額支援団体の持ち出し。厳しい。でも、DVで命を落とすことはあってはならない。他の支援者の方に相談をして、腹を決めて受け入れることにしました。そうしたところ、朝イチで連絡のあった支援者の方から「加害者が少し落ち着いたから少し様子を見てみるとの連絡があった」とのこと。ご本人も自分の置かれている経済的・社会的状況を理解されているのだと思います。我慢しているのだと思います。「危なくなったら遠慮なく逃げてきてください」と伝えました。無事を願います。

■5月13日(土)「ジャンベを叩けたのは6年ぶり…」
金曜は、朝に支援者の方と通訳の方と一緒に難民の方の病院に行きました。彼は数ヵ月前に命からがら日本に逃げてきました。お話を聞きましたが、親族が殺される想像すらできない経験をされています。運悪く病気に罹患し、気を失うほどになってしまいました。今回が3回目の通院。ご本人も頑張り、病院や支援者にも支えられ、病状が改善策してきました。顔色も表情もよくなってきたように感じます。彼は「日本語を学びたい」と話していて、大変な状況だけれども支援者に支えられて日本語教育を受けています。すでに日本語の会話を理解されています。すごいです。そんな彼もホームレス状態になりかけていました。公的な支援枠組みがほぼないので支援団体がすべて持ち出しです。でも、適切な支援があれば未来を見据えて生きていくことができるのです。入管法を改悪するのではなく、難民や移民が日本社会で共に生き、共に日本社会を創り上げていく基盤整備のための法律こそ制定すべきです。時代に逆行しています。
その後、仮放免状態にある難民の方と待ち合わせ。音楽スタジオに行きました。彼はジャンベ(アフリカの太鼓)のプロです。国際的なイベントでも披露していたそうです。しかし、この生活になってからは演奏をしてお金を稼ぐことができなくなりました。 プロの演奏家を腐らせていては勿体ないと思い、色々なところでボランティアでもなんでも演奏してほしいと彼に伝えたところ「ありがとうございます!喜んで!」とのことだったので、まずは一緒にスタジオに行きました。 素晴らしい演奏でした。彼は「ジャンベを叩けたのは6年ぶり…」と言い、ジャンベと一体になっているかのように、時間が来て、私から終わりですとお伝えするまで、1時間ほどジャンベを叩き続けていました。終わった後、彼は「ありがとう」と言っていました。ぜひ彼には色々なところで演奏をしてもらいたいです。

出所:大澤優真撮影
出所:大澤優真撮影

その後は研究者の方からヒアリングを受けました。難民のメンタルヘルスについてです。私が関わる人は、①本国での厳しい経験によってトラウマなど精神的な苦労を抱えている人、②それに加えて入管施設で受けた精神的・身体的暴行によってトラウマを抱えた人、がいます。後者は二重の苦しみの中にあり、かつ、仮放免という「生きていけない」生活状況に追い込まれています。根本的には社会や制度が変わる他ないですが、精神医療にもできることは多くありますし、エンパワーメントされ回復していった人も見てきました。私も常々これらの調査研究をしたいと考えてきたのですが、現場が忙しすぎて何もできません。これら調査研究の結論のひとつとして、入管収容の在り方を考え直すべきだということが言えるようになるのだと思います。
その後は国会前に行き、入管法改悪反対大集会に参加しました。北関東医療相談会・代表の長澤さんと一緒です。4000人が集まったとのこと。着実に支援と理解の輪が広がっているように感じています。その一方で一部の議員の方は少し調べればデマとわかるようなことを話されています。勉強不足という言葉しかありませんが、なぜそうなってしまっているのでしょうか。色々と推測はしますが、よくわかりません。しかし、翻って、議員の方だけではなく日本に暮らす多くの方々が現状をしっかり把握してくだされば、良い方向に進んで行くのだろうなとも感じています。

■5月13日(土)「高熱で苦しむ仮放免
先ほど、たまたま別件で仮放免状態にある女性の方に連絡をしたところ「高熱が出て辛いが病院に行けない。家にいる」というお話がありました。就労も保険加入も禁止されているので我慢しかない状況でした。病院に行ってくださいとお伝えしました。お金はどうするのか。なんとかしなければなりません。

■5月14日(日)「独学で日本語を覚え仮放免者」
金曜日は仮放免状態にある難民の方の通院がありましたが、私は他の方の通院で行けず。同国の仮放免状態にある難民の方にサポートをお願いしました。いつも本当に助かっています。ありがとうございます。彼は入管の中で独学で日本語を覚えました。早く難民認定をしてほしいです。

■5月14日(日)「私たちはいつでもウェルカムですよ」
土曜は北関東医療相談会の総会でした。日頃より関東各地で支援を行うメンバーの皆さまが集まりました。私にはできないことばかりで頭が下がる一方です。また、今日は映画『マイスモールランド』の上映会を行いました。今まさに観るべき映画です。フィクションですが「ノンフィクション」。
上映会中にも仮放免状態の方から病院に行きたいという連絡。別の仮放免状態にある難民の方の通院調整。 日本語を学びたいという仮放免状態に置かれている難民の方の調整も行いました。事情をお話したところ地域の方が「ぜひ!私たちはいつでもウェルカムですよ」と言ってくださいました。感謝の気持ちでいっぱいです。 難民・仮放免の方々は地域で地域の人と共に生活しています

出所:大澤優真撮影
出所:マイスモールランドHPより転載

■5月14日(日)「テロの被害で障害を持った男性」
外国籍の方から「1ヶ月間ずっと胸が痛い」とメール。医療従事者でない私にその緊急性を判断することはできません。心配です。保険証があれば受診しやすいのですが。
他の外国籍の方ともメール。明日受診ですが、費用を工面できなかったそうです。在留資格があり、働ける方で頑張っているのですが、テロの被害で障害が残り、満足に働けていません。コロナの影響と物価高の影響も受けています。外国人・日本人かぎらず日本に住む多くの方が直面している問題です。急遽ですが、とりあえず明日いっしょに病院に行きます。

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