貧困の自己責任化の最たるもの -永住権剥奪-/日本語を勉強する自由すらない仮放免者/地域の人も社長さんも彼のことを待っています

2024年2月12日(月)~18日(日)の記録(https://twitter.com/yumananahori)です。

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今週は、難民・仮放免・外国籍・日本国籍の方から計76件の相談を受けました。
食料相談×3/住居相談×20/医療相談×9/入管関係相談×4/日本語教育相談×5/その他×15/不明×20
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■2月12日(月)「パン屋さん」
今日はある方にお繋ぎいただき、都内のあるパン屋さんのご厚意でチャリティーイベントをさせてもらいました。スリランカの方がスパイス香る美味しいミルクティーを、西アフリカの方と支援者の方がシュシュを作ってくれました。関係者の皆さま、大変ありがとうございました。素晴らしい会でした。
途中で私から難民についてお話する機会もいただきました。少人数で顔と顔を合わせてお伝えできました。たまたまパン屋さんに来た人でお話会をやっていたから参加してみましたという人もそれなりにいらっしゃったようです。絶望的な現状をお伝えすることでビックリさせてしまうかもと思いつつ、しかし、事実なので知っていただこうと思い、「生きていけない」ことをお伝えしました。少しでも心に残ってくれたらとてもありがたいです。少しずつ少しずつ皆さまにこの状況を知っていただき、中長期的により良い方向に進んでいくことを願っています。

出所:大澤優真撮影
出所:大澤優真撮影
出所:大澤優真撮影

■2月15日(木)「2年半後にまた会いましょう」
今日は裁判でした。2年半くらいは会えないことが決まりました。あと少しの間は面会に行けそうです。 アディクションで何回も刑務所に入っている彼。刑務所に入ればアディクションの困りごとがなくなるわけでもなく。 私が生きていたら2年半後にまた会いましょうとお伝えしています。たぶん大丈夫。

出所:大澤優真撮影
出所:大澤優真撮影

■2月15日(木)「貧困の自己責任化の最たるもの ー永住権剥奪ー」
難民条約加入時に日本政府は入管法から「貧困者を退去強制」できる規定を削除しました。これにより生活困窮を理由に外国籍者を退去強制することは法律上はできなくなったわけです。しかし、その後も「ガイドライン」などの形で在留資格の更新を不許可や短縮するということは行われていました。詳細は拙著を御参照ください。
そして、今回、税の滞納という生活困窮を理由に永住権を剥奪しようとしています。これは貧困の自己責任化の最たるものですし、場合によったら難民条約にも抵触するのではないでしょうか。この政策には強く疑問ですし、反対せざるをえません。

生活保護と外国人 - 株式会社 明石書店
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■2月16日(金)「自治体」
家賃が払えないという相談、お金がなくて病院に行けないという相談が相次いでいます。
今日は自治体議員と事務の皆様に現状をお伝えする機会をいただきました。ありがとうございました。この現実を各自治体にレクチャーしにうかがいたいです。具体的な対応方法もあるのでこちらもお願いしたいです。

■2月17日(土)「日本語を勉強する自由すらない仮放免者」
仮放免状態にある方が県外の日本語教室に参加するので、県境を越えるために東京入管に許可をもらいに行ったところ、「総合的に判断した結果」却下されました。仮放免者には日本語を勉強する自由すらありません。

■2月17日(土)「お好み焼き」
今日午前は難民や仮放免の方々の集まりに参加しました。初めましての方、久々にお会いできた方も。お好み焼きをいただきました。とても美味しかったです。 頑張って色々やっていきたいのだけれども様々なハードルがあり苦しいという現実が共有されていました。皆様のご尽力に強く感謝申し上げます。

出所:大澤優真撮影

■2月17日(土)「東京社会福祉士会:外国人の人権・貧困を考える」
今日はこちらでした。ご参加くださった皆様、大変ありがとうございました。
私からは冒頭に「ソーシャルワーカーが非正規滞在者を支援するということ」についてお話ししました。北米のソーシャルワーク教育の大学院で最もポピュラーなテキストではテキストの一番始めに非正規移民の話が出ています。
「ソーシャルワーカーには差別的取扱いを受けている人々に力を与えたいという特別な思いがある」
難民や移民の窮状に対しては、人としての価値とニーズを基礎において考えられるべきであって、外交政策と結びついたイデオロギー的な対立を基礎として考えるべきでない
ソーシャルワーカーだからこそ、できることがあるのだと感じていますソーシャルワーカー本来の力が発揮される場所です。

出所:大澤優真作成資料

■2月17日(土)「地域の人も社長さんも彼のことを待っています」
今日の夜は仮放免状態にある難民申請者の方のところに行きました。家賃が払えないという相談です。
もともとビザを持って長らく働いていましたが、難民認定申請が却下になってビザを失い仮放免に。仮放免の保証人は近所の日本人がなってくれたそうです。貯金を切り崩す日々。とうとう貯金が尽きました。家賃支払いに困りこのままだとホームレスに
「入管から友達の手伝いをしてお金をもらうのもダメと言われました。働けなくて…」
入国まもなくの時は日本語の勉強をするために100円で受けられる教室を探して沢山の教室を自転車で梯子していたそうです。とても日本語が流暢な方です。ずっと同じところで働いていました。社長さんからも良くしてもらったそうです。でも、ビザがなくなって働けなくなりました。
食べ物にも事欠いています。複数の支援団体にお願いするとのことですが、必ず手に入るわけではありません。左目が見えにくい時がある、でも病院には行けません。歯医者にも行きたいですがそれもできない。 医食住がありません生きていけません
せめて働くことを認めていただきたい。時間や場所の制限があってもいいから働かせてほしい。地域の人も社長さんも彼のことを待っています。

■2月18日(日)「命からがら逃げてきた難民が日本で『ホームレス』化している」
『民医連医療』2024年3月号に寄稿しました。 タイトルは「命からがら逃げてきた難民が日本で『ホームレス』化している」です。よろしければご覧ください。支援者の方と会うと「本当に家がない」という会話ばかりです。困っています。

出所:『民医連医療』より転載
民医連医療 2024年3月号 – 全日本民医連

■2月18日(日)「Hello World Ichihara」
今日はここに来ています。

ベトナム、アフリカ、アルゼンチン、ウイグル、ブラジル、ネパール、ペルー、スリランカ、フランス、フィリピンのごはん! バングラデシュからリアルタイム中継。人力車の値下げ交渉をしています。決裂していました。 楽しいです!

出所:大澤優真撮影
出所:大澤優真撮影
出所:大澤優真撮影
出所:大澤優真撮影

何語かわかりませんが、楽しいリズムが流れています。

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