仮放免の子ども/ホームレス化する難民家族/食べ物もオムツもミルクも家もない難民家族

2023年8月7日(月)~13日(日)の記録です(https://twitter.com/yumananahori)。

■8月7日(月)「きょうだい引き裂かれる恐れも…日本生まれの外国籍の子どもに在留資格、『救済対象拡大を』と専門家」
幼少期に来日し、家族と共に仮放免状態であり続ける子どもや若者を知っています。病気になっても病院に行けない。まさに今その相談を受けていて支援団体にもお金がないので、どうすればいいか悩み続けています。 そんな子ども若者には在留資格が出ないそうです。この線引きは生きるか死ぬか、人間として生きることを認めるかの線引きです。辛すぎます。

きょうだい引き裂かれる恐れも…日本生まれの外国籍の子どもに在留資格、「救済対象拡大を」と専門家:東京新聞 TOKYO Web
斎藤健法相は4日、記者会見を開き、日本生まれで在留資格がなく強制送還の対象となる18歳未満の外国籍の子どもに対し、法相の裁量で例外的に...

■8月8日(火)「緊急搬送」
循環器の疾患で緊急搬送された仮放免状態にある難民の方から電話。病院から電話があったので入院できたことは知っていましたが、本人の声を聞いてホッとしました。よかったです。しかし、医療費はどうするのか。誰かがどうにかしなければなりません。頭が痛いです。就労が認められ、保険料をしっかり納めて国民健康保険に加入できれば、本人も病院も支援者もこんなに悩むことはありません

■8月8日(火)「仮放免の子ども」
幼少期に来日し日本で育った仮放免のお子さんから、お金がなく、また借金もできずに、通院していた病院に行けなくなったと連絡がありました。 お金なく支援は困難です。在留資格さえあれば、どうにかなる可能性があるのに。すべての子どもに安心安全な暮らしを、在留資格を。今すぐ必要です。

■8月8日(火)「彼が彼自身のことを諦めないのを願います」
ある仮放免の方とお話をしました。国に帰れず、仕事も禁止され、病院にも行けない。「何かほしいとき、私はくれるのを待つだけの生活」 「相談しても『できませんね』『難しいですね』ばかり。相談しても意味ない。辛いだけ。だって解決しないでしょ、大澤さん。私はどうすればいいですか」「日本語を勉強してきた。漢字も読める。でも、もう何も意味ない」 「変なことを考える。私が死ぬことみんなが幸せになるならそれがいい」
できることをやりましょうとか、一緒に考えましょうとか、そういうことも言えるのですが、彼にとって浮わついた言葉にしか聞こえないだろうなと思い、結局なにも言いませんでした。正直事態が改善する見込みは限りなく低いので励ますようなことも言えません。
何ができるのか。自分の無力感を受け止めながら対話と行動を重ねていくしかないかもしれません。彼が彼自身のことを諦めないのを願います。

■8月9日(水)「私はどうすればいいですか?」
仮放免状態にある難民の方から光熱費が払えないと連絡あり。しかし、もう彼に渡せるお金はありません。彼からは「私はどうすればいいですか?」と返事がありました。

■8月9日(水)「ホームレス化する難民家族」
支援者の方から連絡。入国間もない難民申請の家族が辛うじて泊まれていたホテルを明日出ないと行けないとのこと。お金なくホームレスです。1歳に満たない子どもがいます。お世話になっている支援者の方に相談をして当座のホテルを手配してもらっています。しかし、私たちにもお金はないので、限界があります。行き先は見えません。どうすればいいのか。
こうしたことが起きていることを皆さんに共有しないと、私の心が持ちません。支援者、聞いてくださる皆さま、ありがとうございます。何とかなるように行動します。 日本で起きているホームレス化する難民。遠い世界の話ではありません。

■8月10日(木)「食べ物もオムツもミルクも家もない難民家族」
入国間もない路上生活寸前の難民申請者一家のところに行きました。お子さんが二人、うち一人は0歳。 支援者のご協力を得て、宿を確保し路上化を防げました。暑いから外は大変です。オムツとミルクがないので買い出しに行きました。なかなか見つからず1時間さまよってしまいました。経験不足ですね。
この一家は食べ物も家もありません。お子さん赤ちゃんの状況も気になります。夫は私も知る自由を求める活動団体に所属しています。日本の難民認定率は低い。この家族にそのことを伝えないといけません。お子さんは無邪気に笑っています。親御さんは「Thank you so much. God bless you」と私に言ってくれました。行き先もないし、支援団体にお金もないし、お盆でホテル代は高いしで、前途多難ではありますが、この家族が良い方向に進むことを願います。

出所:大澤優真撮影

■8月10日(木)「解決」
仮放免状態にある方と病院に行きました。この間ずっと悩んでいたことが無事に解決しました。ご本人もホッとしています。 ここまでこれたのは、多くの医療関係者や支援者の皆さんのご尽力のおかげです。ありがとうございました。

■8月10日(木)「オクラいっぱいカレー」
昨日は仮放免状態にある方から「オクラいっぱいカレー」をいただきました。こんなにオクラがいっぱい入っているカレーは食べたことがありません。とても美味しかったです。ネバネバで健康になった気がします。

■8月11日(金)「帝国データバンク 倒産集計 2023年上半期報2023年1月~6月」
人手不足倒産 後継者難倒産 物価高倒産

出所:帝国データバンクHPより転載
出所:帝国データバンクHPより転載
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■8月11日(金)「生きていくことを困難にされた人たち」
『民医連医療』2023年9月号に寄稿しました。連載「困窮外国人支援の現場から ~私たちにできることを考える」です。よろしければお読みください。 まずは「生きていくことを困難にされた人たち」がいるということを知っていただくのが大事だと考えています。

出所:『民医連医療』を撮影
出所:『民医連医療』を撮影

■8月12日(土)「私の胸三寸」
支援関係の事務整理をしています。移民・難民・仮放免状態にある人の生活や医療費支援をしてきました。子どももいます。断ることも多かった。曖昧な返事ばかりのこともありました。本人や家族は困惑しただろうし、「惨めさ」も感じたのだろうと思います。そういうことは今も継続・頻発しています。私の胸三寸でその人の命や健康を左右できてしまう環境は早く変えていきたいです。

■8月12日(土)「平和とは
「平和とはどういうものでしょうか。それは単に争いのない状態を意味するだけではなく、すべての争いの原因ともなる貧困、不公平、人権の抑圧等がない状態をも意味しています。別の言い方をすれば、人々の間に究極の信頼関係が成り立っている状態
「皇帝のつくりだす『ローマの平和』の実態は、『力による平和』であり、真の『平和』は実現しない」

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