難民申請と生活保護/国連にレポート提出/親が殺されるのを目の前で見た

2022年9月19日(日)~25日(日)のTwitterの記録です。

■9月19日(月)「難民申請と生活保護」
ご家族に難民で仮放免の方がいる方からご相談がありました。所持金が数千円。仮放免者はできないが、日本人の家族だけなら生活保護を利用できる。でも、難民申請中なので「生活保護を受けると難民認定に不利になるかもしれないので我慢するしかない」とのこと。在留資格と命・生活を天秤にかけないといけない状況です。 こういう相談をよく受けます。
難民申請中は一定程度の生活保障が必要で、それがなければ実質的に難民申請が困難になります。「難民申請の手続き的保障」が必要です。この件についてはこちらもご参照ください。

意見・声明|京都弁護士会
意見・声明|京都弁護士会では、法律相談の受け付けや弁護士のご紹介、相談会や各種イベントの開催などを行っています。小さなことでもお気軽にご相談ください。

■9月19日(月)「これからが青春だ」
今日は70代の方のご新居にうかがいました。長らく路上で暮らされていましたが、ご本人の努力と支援者の方々のご尽力で30年振りにお一人暮らし。広いお部屋です。
「蚊がね、出るんだよ」「出ていこうかと思った」とお話されつつ、「私は100歳ぐらいまで生きると思うんだよね」「これからが青春だ」とお話されていました。最初に出会った時は厳しい表情をされていましたが、今はこんなに笑みをこぼす人だったのだなと感じています。帰りには傘を持っていない私に傘を貸してくださいました。

■9月20日(火)「国連に仮放免者の窮状を訴えるレポート提出」
国連自由権規約委員会に北関東医療相談会のレポートを提出しました。
原案を除いて、編集・構成・英訳・提出などのやり取りはすべてライターのみわよしこさん(@miwachan_info)が行ってくださいました。ありがとうございます。仮放免者の過酷な状況を世界に知ってほしいです。

https://tbinternet.ohchr.org/_layouts/15/treatybodyexternal/Download.aspx?symbolno=INT%2fCCPR%2fCSS%2fJPN%2f50137&Lang=en

■9月22日(木)「録音できるなら録音したい」
火曜は仮放免の方の通院同行でした。精神科です。日本に何十年も暮らし、日本人配偶者がいて、日本語ペラペラの方です。
木曜も仮放免の方の通院同行でした。内科です。入管に仮放免の更新に行くと、ひどい口調で「また収容するぞ」とか「無理やり帰らせるぞ」とプレッシャーをかけられることがあるそうです。この方は難民。帰れません。「なんで病院に行ってないんだ!」と責められることもあるそうです。仮放免の理由が病気ということで詐病を疑っているのでしょうか。仮放免者は病院に「行かない」のではなく、「行けない」のです。それは火を見るより明らか。入管の方も本当はわかっているのだと思います。前に入管の方から「NPOの方が医療生活支援をされていることはよく承知しています。私たちの方では何もできず」とお話を受けたことがあります。
仮放免の更新の際に部屋に通されますが支援者は同伴できません。部屋から出てきた仮放免の方が汗を垂れ流して過呼吸になっていた話を聞きました。言葉による「拷問」が行われているのではないでしょうか。「録音できるなら録音したい」とある方はお話していました。これはやはり「透明性がない」から起きている問題だと考えています。外部の目が必要です。

■9月23日(金)「裁判の結果は法律だけではなく社会の関心でも変わる」
今日は「在日クルド人と共に(http://kurd-tomoni.com/20220923symposium/…)」ほか共催のシンポジウムに参加しました。仮放免当事者、弁護士、国会議員、医師という多様な側面からこの問題が語られました。極めて勉強になり刺激を受けました。
クルド人に難民性があると認定された判決の背景には「難民を取り巻く社会状況の変化があった」とお話されていました。裁判の結果は、法律だけではなく社会の関心でも変わる。そうであるなら、やはりより多くの方にこの問題を知ってもらうほかないなと感じました。
このシンポジウム中にも仮放免の方から「病院に行きたい」と相談を受けました。仮放免者は働くことが禁止され、国民健康保険に加入できず、生活保護も利用できません。体調が悪いときは支援者に頭を下げてお願いしなければ医療を受けられません(受けられないことも多々)。これは「おかしい」こと。変えるべきだし、変えられることです。訴えていきます。

出所:在日クルド人と共にHPより転載
出所:在日クルド人と共にHPより転載

■9月24日(土)「強制送還のリアル」
医師・山村淳平さん作成のドキュメント。 日本人と結婚し来日20年のガーナ人男性は、強制送還中に呼吸できなくさせられ入管職員に殺されました。「強制送還」の現実がよくわかります。

21035 強制送還~終わりなき入管の暴力~(TVF2021応募作品)
山村 淳平 様作品№.2103519'47”ドキュメンタリー作品 TVF2021応募作品11月受付【作者コメント】わたしは、移民・難民などの医療にたずさわっています。彼/彼女らをとおしてかんがえさせられるのは、国家による暴力と差別です。本作品であらわしたのは、出入国在留管理庁による暴力行為は戦前の特高警察からつな...

■9月24日(土)「親が殺されるのを目の前で見た」
支援者の方から聞きました。難民の一家。本国で経営していた店を何回も焼かれた。親が殺されるのを目の前で見た。お子さんも目の前で子どもが殺されるのを見た。近隣の国に逃れたが排斥運動で排除された。日本に来たが生活苦にあえぎ続けている、医療費、食費、家賃。難民申請は却下された。

■9月25日(日)「支援者」
諸々予定が終わり帰路についていたところ、ある駅のホーム、前方から見知っている顔の人が。困窮者支援の方でした。
「緊急SOSの連絡が入ったからこれから現地に行ってくる」
日曜日の夜に現地に出向く人。なかなかできることではありません。尊敬です。このような方々が民間の支援を支えています。

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