自転車/小さいときからこういうのはやってきたので大丈夫です/「外国人と生活保護」の誤情報が出回っている

2025年3月17日(月)~23日(日)の記録(https://x.com/yumananahori)です。
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今週は、難民・仮放免・外国籍・日本国籍の方から計74件の相談を受けました。
食料関係×3/住居関係×5/医療関係×11/入管関係×10/教育関係×5/その他×40
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■3月18日(火)「自転車」
月曜はサポーターの方から自転車をいただきました。強く感謝申し上げます。
難民・仮放免の方から交通費がないという相談をよく受けます。今日も「大澤さん、大変。お金ない。入管行けない。大変」と相談を受けました。過去には、弁護士の方から連絡が来て、仮放免者が交通費を出せないことの意見書を書いてほしいとご依頼を受けたことがあります。アミーゴスで行った「仮放免者生活実態調査」を下敷きにして私の経験を示しました。
公共交通機関を利用できない人が多い。自ずと経済的理由で、車や自転車を持てない人も多いです。それは物理的な苦労、そして可能性を閉ざされ得ることを意味しています。 前置きが長くなりましたが、難民・仮放免の方々にとって、自転車はご本人の可能性を広げる重要な道具になり得るのです。以前、入国まもない難民申請者の方が自転車を得て、その自転車で地域の無料の日本語教室を沢山まわって、日本語がペラペラになっていました。

■3月19日(水)「食料支援」
火曜はつくろい東京ファンドの食料支援の日でした。約50世帯の難民・仮放免の方々にお送りしました。野菜や米などの食品をご寄付をくださった皆様、発送ボランティアの皆様に強く感謝申し上げます。 厳しい状況ではありますが、明日のご飯を気にしないで済む社会を望みます。

出所:大澤優真撮影
出所:大澤優真撮影
【物品寄付のお願い】国籍を問わない困窮者支援活動にご協力ください。 | つくろい東京ファンド
一般社団法人つくろい東京ファンドは、国籍を問わず、生活に困窮している人々の住まいと暮らしを支える活動を展開しています。2022年以降は新規に日本に来られた難民の方からの相談も増えています。先日、ジャーナリストの安田菜津紀さ

■3月19日(水)「小さいときからこういうのはやってきたので大丈夫です」
一家全員仮放免の母から困窮しているという相談があり、現地に向かいました。小学生のお子さんもいらして通訳をしてくれました。 小学生のお子さんに自身の家庭環境が厳しいこと、助けてほしいという話をさせたこと。避けられないと思いつつ、お子さんに負の影響を私が与えているとも感じています。
別の高校生のお子さんも同じような状況です。そのお子さんが家族のほとんどを担っています。聞いてもしょうがないと思いつつ「○○さんに色んな負担が集まって大変ですよね」とお話ししたら「いや、小さいときからこういうのは私がやってきたので大丈夫です」とご返答がありました。じゃあ、私が何かできるかというとできないことばかりで、責任感のない自分の言葉の軽さに後ろめたさを感じます。 しかし、そうした現実を受け止めつつ、できることを模索して、様々な方と力を合わせて、すこしでも良い方向に進められればと思います。

■3月19日(水)「ホームレス状態の多様化」
色々な方がすでにお話しされていますが、「ホームレス」状態の人(安定的な住まいがない人)の多様化が進んでいます。年齢、ジェンダー、職業、国籍、家族形態、疾病、障害などなど。貧困とその背景がより複雑化しているともいい得ます。制度はその実態に合っていません
この貧困にどのような支援ができるのか。どのような制度的対応がなされる必要があるのか。この貧困をどのような軸で分析できるのか。過去を振り返りつつ、新しい視点をもった実践と研究が求められているように感じます。なかなか難しいことですが。

■3月21日(金)「フェイクニュースを哲学する」
外国人に関するデマが悪貨は良貨を駆逐するのようなことになっていて、どうしたら良いだろうかという視点で読み始めましたが、研究をする時の姿勢だったり、研究が必要な背景を振り返ることになりました。大変参考になりました。

■3月21日(金)「路上で放置していていいのだろうか」
路上生活をしていた仮放免の方。支援団体の方に数ヶ月滞在できる住まいを提供していただきました。心より感謝申し上げます。
彼はあまり目が見えません疾患が複数あります。寒い中、路上生活をしていました。仮放免の方の住居探しは極めて困難。いま私は本当にほっとしています。
数ヶ月のうちに今後の行き先を探さなければなりません。どうにもならない時は路上に戻ってもらうしかありません。暖かくなるしと頭の片隅で思った後すぐに、彼は「助けてください」と話しているし、目があまり見えずに疾患のある人を路上で放置していていいのだろうかと自問しました。しかし、家もお金もない今はなんともできません可能性を模索します。彼が安定した住まいを得られることを願います。

■3月21日(金)「警察 代表番号と同番号からの不審電話 全国で確認 詐欺被害も」
先日テレビでこれを見て大変だなと思っていましたが、知人が詐欺に遭いました。警察署の番号からかけられると信じてしまいますよね。ひどいです。 あとで折り返すとか言って一旦切るなどの対応?

警察 代表番号と同番号からの不審電話 全国で確認 詐欺被害も | NHK
【NHK】警視庁新宿警察署の「代表」と同じ電話番号から、犯罪との関連が疑われる不審な電話が相次いでいますが、ほかの県警をかたった同…

■3月21日(金)「『外国人と生活保護』の誤情報が出回っている」
「外国人と生活保護」について誤情報が出回っているようです。
・外国人は日本人に比べて生活保護を受けやすいということはありません。
・生活保護を求めて日本に殺到しているということもありません。
・外国人に保護(準用措置)を行うことは違憲でも違法でもありません。
・「桐生市では困窮者にひどい対応をしているのに外国人には簡単に受けさせている」という事実は確認できていないし運用上ありえない。問題は桐生市の違法不適切対応であって、虚構に基づいて外国人を叩いても問題は解決しない。デマを言いふらした人の別の意図を汲み取るべき。
・70年程前に暴動が起きて外国人も生活保護を受けられるようになったということはデマ。史実と異なる。
他にも沢山ご説明したいことがありますが、ご関心のある方は添付の文献をご参照ください。現在、別の文献も執筆中ですし、広く知ってもらうためのウェブサイトも検討中です。
様々議論がなされるのはいいとは思いますが、それは事実をベースにしたものであって、デマに基づくものであってはなりません。その意味で、「外国人と生活保護」に関連する、法律、運用、統計、歴史などを理解する必要があります。それは他のことであっても同じではないかと考えます。

■3月23日(日)「MEDIENDIENST INTEGRATION」
ドイツのMEDIENDIENST INTEGRATIONのウェブサイトには法律やデータが分かりやすく示されています。リンク先は「猶予」という仮放免と似たような仕組みと現状の説明です。 移民難民に関して根拠をもって知りたい人のために、日本でもこのようなウェブサイトを作りたいと検討中です。

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■3月23日(日)「健診結果報告会」
土曜は茨城でアミーゴスの医療相談会の健診結果報告会でした。医師4名・管理栄養士1名・多数のボランティアの皆様のご尽力で無事終了。大変ありがとうございました。 私はブラブラして様子を見ていただけですが、治療が必要な方もいて、医師・支援者の皆様が対応。仮放免者が医療を受けるのは大変です。

出所:大澤優真撮影
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